シェルター付き動物愛護センターの課題を調査

 都議会公明党(東村邦浩幹事長)はこのほど、7月の都議選で公約に掲げた「シェルター(避難所)付き動物愛護センターの新設」を推進するため、シェルター設置を計画している東京都武蔵野市の日本獣医生命科学大学を訪れ、関係者と意見を交わし、今後の課題を探った。

 日本獣医生命科学大学は、獣医師を育成する都内3大学の一つ。大学構内の動物医療センターで犬猫を紹介制で診察しており、手術や入院ができるようになっている。

 センター内には磁気共鳴画像装置(MRI)や内視鏡などの機器を備え、高度な獣医療を提供している。さらに、動物を保護するためのシェルターを併設する計画もあるという。

■設置を計画する獣医大で意見交換

 大学の担当者は「(コロナ禍で)ペットを飼う人が増えた一方、飼育放棄やペットへの虐待が問題になっている」と指摘。その上で、シェルターに収容された動物に専門的な獣医学の知見を用いる「シェルター・メディスン」という新たな分野を紹介し、「診療や保護を通じて、動物の命を守る環境整備をさらに進めていきたい」と話していた。

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 都議会公明党はこれまで、2015年に会派内に動物愛護のためのプロジェクトチームを立ち上げたほか、先進自治体への視察や、動物愛護団体との意見交換を重ね、ペットとの共生社会実現を一貫して推進してきた。

 犬猫の殺処分ゼロに向け、都有施設を活用した犬猫の譲渡会や、動物愛護のためのPRイベントの開催を後押し。都議会定例会でも動物の保護に向けた対策について取り上げてきた。さらに、先の都議選では重点政策「チャレンジ8」に、シェルター付き動物愛護センターの新設を盛り込んでいた。

 視察後、東村幹事長は、日本獣医生命科学大学が建設をめざすシェルターについて「非常に重要な施設だ」として、「都と大学間の情報共有体制を強化し、犬猫をはじめとしたペットへのきめ細かい支援につながるよう全力で応援していく」と語っていた。
(公明新聞 2021/11/27)