安心の周産期医療めざす

母体搬送システムなど調査

東京都議会公明党の周産期母子医療問題プロジェクトチーム(東村都議座長、高倉良生都議等)は11月26日、高度な医療を要するすべての妊婦の搬送を受け入れている名古屋市中村区の名古屋第一赤十字病院(小林陽一郎院長)を訪ね、関係者から取り組みを聞くとともに、同病院内の総合周産期母子医療センターを視察した。

小林院長は、同院の新生児集中治療管理室(NICU)のベッドが不足し「過密な医療が続いている」と述べ、今後、愛知県内における母体搬送の“最後の砦”としてNICUを3床増やし15床とする設備強化の計画について語った。

続いて同センターの石川薫センター長は、母体搬送を決して断らない同院の「不応需ゼロ」の取り組みを説明。母体・胎児集中治療管理室(MFICU)やNICUが満床状態でも、可能な場合、入院患者をNICUなどに空きがある他の病院に送り出したり、院内の一般病床でも受け入れることなどで対応していることを紹介した。

また、石川センター長は県内の産婦人科医療の課題として、医師数の減少を挙げ、とりわけ20~30歳代の医師の半数以上を女性が占め、その多くが出産や育児で現場を離れてしまう現状などを説明した。

東村座長らは「都においても総合周産期母子医療センターを軸に、他の医療機関と連携した効果的な搬送システムの構築が必要だ。女性医師が子育てできる環境設備にも努めたい」と語った。