遠位型ミオパチーは難病の助成対象

都議会で一般質問

筋肉が萎縮していく病気「遠位型ミオパチー」の難病指定を国に求めている患者会(中岡亜希代表)は9月下旬、東京都議会の定例会で、公明党の高倉良生議員の一般質問を傍聴に訪れていた。東京都が国に先駆け、この病気を難病として認めるかどうかに注目が集まっていた。

遠位型ミオパチーは、手足の先から筋力低下が進行していく病気で、主に20~30歳代で発症し、進行すると歩行困難や寝たきりになることもある。

100万人に数人といわれ、有効な治療法も確立されていないため、一般的に難病“不治の病”といわれる。

だが、国が難病(特定疾患)に指定する123の病気には入っておらず、根本的な治療法研究が進んでいない。そこで今年4月に全国組織の患者会が発足し、国の難病指定を求めて署名活動を展開してきた。

その患者会が注目する中、高倉議員は、都が実施している難病患者を対象にした医療費助成制度について質問。遠位型ミオパチーを難病として助成対象にしているか「都の対応を明らかにせよ」と求めた。

これに対し、都の安藤立美福祉保険局長は、この制度は国の事業を受けて各都道府県が実施しているものだが、難病の対象については「国が指定している45の病気に加え、都は独自に27の病気を助成対象としている」と説明。「遠位型ミオパチーは、そのうちの『進行性筋ジストロフィー』の一つのタイプとして認定している」と明言し、難病と認めているとの方針を示した。

この制度で助成対象となる病名一覧の中に、遠位型ミオパチーの記載はない。だが、都はこれまでも進行性筋ジストロフィーの一種として認めるとの考えがあったという。

だが、患者会は「一切知らなかった」といい、都内在住の会員で申請した人はほとんどいなかった。都福祉保険局も「周知不足だった」と認めている。

傍聴していた患者会の運営委員・織田友里子さんは今回の質問を「都の方針が明確になったことで、会員に助成の申請ができると伝えられる」と評価。「国の難病指定への足掛かりとなり、他の道府県へのアピールにもつながる」と笑顔で語った。

最後に、高倉議員は患者会との連携を求めるとともに「総合的な難病対策の拡充を」と訴えた。石原慎太郎知事は「患者の苦労は計り知れない」と理解を示し、「総合的な難病対策を推進していく」と前向きに答えた。(公明新聞2008年10月16日付)