HTLV-1の母子感染をなくそう

シンポジウムに参加

高倉良生都議は2010年9月11日、東京国際交流館(江東区青海)で開催された「子供に元気な未来をつくろう新ママ育児応援バザー、HTLV-1ウイルスについてご存じですか?」のシンポジウムに参加してきました。この催しは、NPO法人「はむるの会」が主催したもので、専門家の方々や患者の皆さんにより、母子感染で広がるHTLV-1ウイルス(ヒトT細胞白血病ウイルス)の現状や今後の対策などについて活発に語り合われました。

HTLV-1ウイルスは現在、日本に110万人以上の感染者がいると言われています。感染しても特に症状がありませんが、ウイルスは長くリンパ球の中で生き続け、一部の人にATL(成人T細胞白血病)やHAM(HTLV-1関連脊髄症)を発症させます。主に母乳によって感染しますが、九州地方にウイルス感染者が多く見られたため、以前は風土病のように見られてきました。しかし、感染者は現在、国内各地に拡散している状況が指摘されています。

私は2年ほど前、このHTLV-1ウイルス対策に全力で取り組む菅付加代子さん(NPO法人日本からHTLV-1ウイルスをなくす会代表理事鹿児島市)にお会いして状況をお聞きしようと、都内の区議会議員の皆さんらと一緒に鹿児島市に行き、そこでお聞きしたお話をもとに都議会本会議で初めてHTLV-1ウイルスの感染防止について質問しました。

公明党では7年ほど前から、江田康幸衆院議員が菅付さんらと手を携えながら、運動を進め、国の本格的な取り組みを求めてきました。

2010年9月8日、菅付さんら患者団体の皆さんは江田衆院議員同行のもと、菅首相に面会し、対策を強く要望しました。これに対して首相からは、全妊婦の抗体検査を全国一律、公費で実施することや、診療体制の整備・治療法の研究などに取り組む意向が示され、官邸に特命チームが設置されることになりました。

この日、東京国際交流館で開催されたシンポジウムでは、首相との面会の状況がビデオで報告され、さらにHTLV-1ウイルス感染の現状や効果的な予防対策などが分かりやすく紹介され、今後の取り組みの大きな起爆剤になりました。特に、東京から対策を発信していくことは、全国的な取り組みを進めるうえで大きな意義があると思います。