若者向け接種会場を/都議会代表質問

奨学金の返済負担軽く

 2日の東京都議会第2回定例会本会議で、公明党から高倉良生議員(都議選予定候補=中野区)が代表質問に立ち、新型コロナワクチン接種を効果的に実施するため、感染者数が最も多く、行動範囲も広い20代の若者や学生で希望する人を対象とする大規模接種会場を、23区と多摩地域に設置することを提案した。

 小池百合子知事は、新たな大規模接種会場での接種対象について、「専門家から20代の若者などへの接種も選択肢の一つと伺っている」と述べ、区市町村と調整する方針を示した。

 また、高倉議員は、人手不足に悩む中小企業に就職した学生向けに、「奨学金の返済負担を軽減する支援策を検討するべきだ」と主張。小池知事は、中小企業と若者双方に「効果的な方策を検討する」と述べた。

 一方、高倉議員は、経済的理由で生理用品を買えない「生理の貧困」問題を公明党が3月9日の予算特別委員会で取り上げ、同12日に学校における無償提供を教育長に要望したことを踏まえ、今後の取り組みを確認。藤田裕司教育長は、都立学校の女性用トイレに生理用品を配備する事業を「9月から全校で実施する」と回答した。

 高倉議員は、共産党の条例案提出(2013年に否決)をきっかけに「都政が認可保育所増設の方向にかじを切った」とする同党の主張に関し、都の見解を聞いた。都側は、保育の実施主体である区市町村が認可保育所だけでなく、地域のさまざまな保育資源を活用して整備する取り組みを支援していると強調。都として認可保育所に特化していないことを示した。

「共産の条例案で『都政が認可保育所増にかじ切る』」はウソ
東京都の答弁で明らかに

 公明党の強力な推進で待機児童解消策が進んだ結果、東京都内で認可保育所が増えている。これについて、日本共産党は2013年に否決された共産提出の条例案を契機に「都政は認可保育所増設の方向にかじを切った」(志位和夫委員長)からであると、今回の都議選で同党の最大の実績のように宣伝している。しかし、2日の都議会本会議での都側の答弁で、都として「保育所増設の方向にかじを切った」事実はないことが明らかになり、共産のウソが裏付けられた。

 2日の本会議では公明党の高倉良生議員が「都が認可保育所増設にかじを切ったという事実はあるのか、ないのか」などと聞いた。

 梶原洋副知事は「保育の実施主体である区市町村が、認可保育所、認証保育所、認定こども園、小規模保育、家庭的保育など地域のさまざまな保育資源を活用して整備する」との考えの下、保育サービスを整備する区市町村の取り組みを都が支援しており、「現在も、この考えに変わりはない」と強調。都として、認可保育所に特化して増設を図った事実はないことを示した。

 その上で梶原副知事は、08年開始の「保育サービス拡充緊急三カ年事業」以降、都が目標を定めて拡充を進めてきたことを力説し、共産の条例案が掲げた保育所の用地購入費補助は「これまで行っていない」と明言。共産が13年都議選で議席を伸ばして条例案を提出する5年も前から、都として拡充を進めていることや、共産の条例案の内容が今なお実現していないことが明らかになった。

 さらに高倉議員は、共産が株式会社など設置の私立保育所を“安上がりな保育”などと批判していることを指摘し、認可保育所増加の内訳を聞いた。梶原副知事は、16年4月から昨年4月までの4年間で認可保育所が983増の3325カ所となり、内訳では株式会社設置が大幅に増え、722増の1104カ所になったことを報告。共産が“増やした”と宣伝している認可保育所の多くが、共産が批判する株式会社設置にほかならず、それが増えていることを実績と自慢する共産の“ごまかし”が改めて裏付けられた。
(公明新聞 2021/06/03)