東京都青少年健全育成条例を改正

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2010年12月15日に閉会した東京都議会第4回定例会で「改正東京都青少年健全育成条例」が民主・自民・公明などの賛成で可決されました。12月18日付の公明新聞に都議会公明党の中島義雄幹事長へのインタビュー記事が掲載されていますので、そのまま紹介します。

―― 改正の目的は。

中島 社会的に許されない性描写を不当に賛美、誇張している漫画などから、子どもたちを守ることです。現在、都内の書店では、強姦や近親相姦など、あたかも社会的に是認されているかのように描写した漫画やアニメが「成人コーナー」に区分陳列されることなく、一般書棚で販売されています。現行条例の区分陳列の基準では対応できないからです。
PTA団体や、地域の青少年健全育成団体などから「このような漫画を子どもに見せたくない」と、条例改正の要望が多く寄せられました。新たに基準を追加し、子どもたちが簡単に閲覧、購入できないようにします。

―― 新たに対象となる漫画、アニメは。

中島 社会的に許されない強姦など刑罰法規に触れる性行為や近親相姦を不当に賛美、誇張する漫画、アニメが対象です。

―― 区分陳列の決め方は。

中島 区分陳列は原則として、発行者や販売者の自主規制により実施します。その上で、この自主規制から漏れ、著しく悪質な物について、出版関係者やPTA、マスコミ、都議会議員などで構成する「健全育成審議会」での合議を経て、都が指定し、販売者に区分陳列を義務化します。

―― 出版業界からは、これまで通りの自主規制で十分との声があります。

中島 第一義的に、出版業界の自主的努力は不可欠です。しかし、近年、不健全図書に指定された漫画などの約51%は、自主規制団体に属さない出版社によるものです。現実的な改善策が必要です。

―― 一部に「表現の自由を侵害するのでは」との意見がありますが。

中島 これは全くの誤りです。漫画家が自由に作品を書くことを制限したり、漫画の販売を禁止するものでは、決してありません。ですから、子どもたちが「大好きな漫画が読めなくなってしまう」「アニメがテレビで見れなくなる」などということもありません。改正の目的は、子どもの健全育成を守るために、区分陳列の基準を追加し、明確に定めただけです。
このような同種の仕組みは長野県を除く45道府県の条例に規定され、岐阜県の同種条例に係る最高裁判決では、憲法の表現の自由に違反するものではないと判示されています。

―― 改正に対し、創作者や出版・販売関係者などから「創作活動が委縮する」と懸念が示されています。

中島 都議会公明党はこうした声を真摯に受け止め、改正条例を慎重に運用するとともに、出版関係者も参加する「健全育成審議会」の検討時間を確保する内容の付帯決議を付すことをリードしました。
都議会公明党は、大人の利益でなく、子どもの将来を守るために、今どうするべきかという判断で、今回の条例改正に取り組みました。