ハンセン病資料館を視察

「同じ過ち繰り返すな!」

都議会公明党は12日、今年4月にリニューアルして開館した国立ハンセン病資料館(東京都東村山市)を訪れ、館内を視察し、担当者の説明を受けた。これには高倉良生都議等が参加した。館内の展示は、ハンセン病患者に対する偏見と差別に満ちた歴史とともに、早期発見と適切な治療で、確実に治ることなど、ハンセン病に関する正確な情報を伝えている。 「親や兄弟姉妹と一緒に暮らすことができない」「実名を名乗ることができない」――。病気が進むと顔や手足が変形することから差別を受け、医学的根拠もなく、強制隔離されたハンセン病患者。その療養所での生活を再現した展示からは、当時の患者の“叫び”が聞こえてくるようだ。 同資料館は、1993年に開設された旧高松宮記念ハンセン病資料館を建て直したもので、全国に15カ所あるハンセン病療養所のうちの一つである国立多磨全生園(5月現在334人が入所)に隣接している。2001年に、ハンセン病療養所入所者らが、国に賠償を求めた裁判で勝訴(熊本地裁)した際、坂口力厚労相(当時=公明党)が主導して国の控訴断念を実現。これを契機に、ハンセン病に関する国の取り組みが強化され、その一環として、同資料館はリニューアルされた。 視察を終え都議らは、「ハンセン病に関する認識を深めることができた。今でもエイズなど一部の病気については、正確な知識が普及していないことによる患者への偏見や差別が現実にある。同じ過ちを繰り返さないために努力していきたい」と語っていた。