内定取り消された学生ら守れ

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12月定例会で支援訴え
『弁護士らによる特別相談会を実施/都議会公明党が緊急視察』

雇用情勢が厳しさを増す中、東京都は、採用内定を取り消された来春卒業予定者や、解雇された非正規労働者を対象にした「緊急特別相談会」を、15日から19日まで都労働相談情報センター(千代田区・東京しごとセンター内)で実施した。若者の雇用対策を推進してきた都議会公明党は16日に緊急視察。谷村孝彦副政調会長、吉倉正美、高倉良生、大松成、伊藤興一、松葉多美子の各議員が参加した。

「経営が悪化した」との企業側の一方的な理由で、不動産業や輸出関連企業を中心に内定取り消しが相次いでいる。都内だけでも来春卒業予定の大学生・高校生で、11月末までに内定を取り消された数は130人で、すでに昨年度の4倍以上。全国では331人で、東京が最も多い(厚生労働省の調査)。

こうした現状に、相談会では、弁護士や社会保険労務士、国や関係機関の職員らが相談員となり、午前9時から午後5時まで電話や来所での相談に対応した。

16日までの相談件数は105件(内定取り消し11人、非正規雇用38人ほか)。

視察団一行は相談員から、電話相談で寄せられる内定取り消しの現状を聞いた。それによると、▽自動車部品メーカーで9月に内定通知を受けたが、その後取り消された(大学生)▽不動産会社で、不況を理由に突然、内定を取り消された(同)――など。

ある会社で内定式を終え、内定通知書をもらったが、業績悪化を理由に内定を取り消された大学生のケースでは「雇用契約が成立しており、会社側に採用を求めるか金銭補償を請求できる可能性が強い」とアドバイスしたという。

弁護士の相談員は「最近、内定取り消しの理由について会社から説明がないケースが多い」と話す。内定は実質的な雇用契約で、取り消す場合は解雇と同じ扱いで、合理的な理由の説明が必要だという。「正規就職できずに卒業すると、次の採用時期までの生活費が必要だが、企業側に十分な額の金銭補償を請求するのは難しい。非常に根が深い問題」と語った。

都議会公明党は、今月10日に開かれた都議会定例会で、谷村議員が「内定を取り消された学生を、都が強力にバックアップするべきだ」と訴え、佐藤広産業労働局長が「特別相談会を開催する」と答えている。

視察を終えた都議会公明党のメンバーは「若者が泣き寝入りせず、明るい将来を展望できるよう支援していきたい」と語っていた。(公明新聞2008年12月20日付)